tofubeatsさんが劇伴をやっているからという不純な理由で「寝ても覚めても」観てきました。映画を観る前から主題歌になってる「RIVER」を聞いてると泣けて泣けて。これ映画はボロ泣きなんじゃ…?と思ってたけど、そんな甘い話ではなかった。

ある男女のお話。奔放な男性が女性の前から姿を消して数年後、同じ顔の男性と出会う。ドラマティックではあるけど、形は違えど結構こういうことってあるんじゃないですかね。平穏に暮らしていくのかと思いきや…。人生の山だったり谷だったりを過剰な演出なしで見せてくれます。誰の人生もそれなりにドラマがあるよね。で、ただ平穏なことが本当の幸せってなのかな?みたいなことを感じました。

この映画、柴崎友香さんの小説が原作。東出昌大さんが二役を演じ、唐田えりかさんがヒロイン。脇役の皆さんがとてもいい味を出しています。監督は濱口竜介さん。神戸が舞台の「ハッピーアワー」を撮った時のつながりでtofuさんが音楽を担当することになったそうです。

東日本大震災がテーマの映画も撮っている監督。この作品でも東北の今が自然に描かれていたり、地震のシーンがあったり。日常の中に結構大変なこととか悲しいこととかってあるのに、「日常」の中だから気に留めないことがある。日常に飲み込まれてしまう。それってどうなの?そんなことを自然に考えさせるのがうまい。

tofuさんの劇伴はやや音楽に気を取られてしまうかなと思った。まぁそれを気にして観に行ってるわけだけど。もう少し控えめでもいいのかなと。余韻の中、最後に流れるRIVERは良かった。夢の中の話のような、でもすごくリアルな話のような、不思議な気持ちになる作品。そして女の人って怖いな~とも。